大曲の花火とは

打ち上げる人も見上げる人も虜にする
魅力と歴史

日本最高峰の花火競技大会

「大曲の花火」とは、秋田県大仙市大曲で春・夏・秋に開催される、3つの花火大会の総称です。

8月の「全国花火競技大会」は、1910年より続く国内随一の伝統と格式を誇る大会で、国内唯一「昼花火」の競技も執り行われます。この大会で受賞することは、花火師にとって最高の栄誉とされています。

このほか、4月には若手花火師たちによる花火競技大会と国際色豊かな作品を楽しめる「春の章」、10月には創意工夫にあふれた劇場型花火で魅せる「秋の章」があります。

大曲の花火の最大の特徴は、1960年代にこの地で誕生した「創造花火」です。既成概念にとらわれない独自性・斬新性にあふれた創造花火は、現在世界中で楽しまれている音楽と花火で表現する総合芸術的花火の源流であり、革命でした。その本家として、左右幅900mもの圧巻のスケールで提供される「大会提供花火」、通称「ワイドスターマイン」は大曲の花火の名物であり、世界に誇る芸術文化です。

花火鑑賞の舞台は、横たわる出羽 (でわ) 丘陵を背景に雄物川 (おものがわ) が流れる絶好のロケーション。光と色彩が夜空と水面を満たし、爆音が大空間を震わせます。その瞬間、誰もが、花火師たちの永き研鑽と挑戦の軌跡を、真新しい創造のきらめきを見上げています。夢のようなひとときが終わり、静寂のなか、川を挟んで花火師たちと観客が送り合う“光のエール”は、大曲の花火の新しい風物詩となっています。

競技花火と見どころ

全国で開催される花火大会には、納涼や祭礼にちなむ鑑賞花火と、花火師たちが腕を競う競技花火があります。全国およそ15ある競技大会の最高峰と言われるのが、夏の「全国花火競技大会 大曲の花火」です。

昼花火の部

光に代わって煙の色彩や変化する姿で魅せる昼花火は、繊細かつ高度な技術が必要とされる花火。5号玉5発を披露し、競います。昼花火の競技大会は日本で唯一です。

夜花火の部

「10号・芯入割物 (しんいりわりもの)」「10号・自由玉」「創造花火」を披露し、競います。10号玉は、それぞれ一発のみ。創造花火は2分30秒以内。自ら掲げたテーマである玉名 (ぎょくめい) の世界感を表現します。

号砲大雷・玉名・
打留

競技大会の始まりを告げる「号砲大雷 (ごうほうだいらい)」。競技の前には「標準審査玉」の打ち上げ。競技作品である「玉名」の呼び出しの後に打ち上げとなります。花火師ごとに「10号・芯入割物」「10号・自由玉」「創造花火」の3作品を続けて披露。28組の競技が終わると「打留 (うちどめ)」となります。

花火師たちが大曲を目指す理由

「花火の玉を買っているのではない。花火職人の才能を買っているのです」。これは大曲の「創造花火」の父・佐藤勲が、花火師たちに語り続けた言葉です。大曲の花火は、ただ技量や美しさを競う大会ではありません。玉に込められているのは花火師一人ひとりの創造と技と心意気。今も昔も変わらず、玉を製作した花火師が自らの手で打ち上げを行うのも大曲ならでは。大曲の花火での誉れは花火師たちにとって、他にはない最高の栄誉なのです。

褒賞の数も国内最多で、最優秀賞「内閣総理大臣賞」のほか、現在は「経済産業大臣賞」「文部科学大臣奨励賞」「中小企業庁長官賞」「観光庁長官賞」が授与されています。

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ひと味ちがう「春」と「秋」

花火の本場・大曲では、花火は夏のものだけではありません。春と秋にはそれぞれ意義や趣の異なる花火大会を開催。大曲名物「創造花火 春・秋バージョン」も披露されます。まずは、春・秋から大曲の花火を味わうのも粋な楽しみ方です。

春の章

次代を担う若き才能を応援する「新作花火コレクション」と、国際色豊かな世界の花火を楽しめます。全国から若手実力派の花火師たちが集い、次代の花火文化を切り拓く新作を披露。独自の発想、色彩感覚、最新の演出技術を駆使した創造的な作品が次々と打ち上がります。

秋の章

毎年異なるテーマのもと「創造花火」発祥の地にふさわしい、形にとらわれない実験的かつ前衛的な花火の数々が披露されます。地元の花火師たちが新しい表現に挑む場でもあります。秋の澄んだ冷たい空気で花火本来の色彩や光線の美しさも際立ちます。

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歴史と国際的評価

大曲の花火は、1910年 (明治43年)、諏訪神社の祭りの余興として開催された「奥羽六県煙火共進会」を起源に、100年以上の歴史を重ねてきました。

1964年 (昭和39年) には全国で初めて「創造花火」の競技を導入。以降、大曲の花火は幾度となく海を超え、世界の人々をも魅了しています。創造花火の父・佐藤勲が東西ドイツ時代に「地上には壁があるが、空には壁がない」と打ち上げた花火は、現地新聞の一面を飾り話題になりました。

1990年代以降「世界の花火師大曲会議」「国際花火コンペティション」「国際花火シンポジウム」なども開催され、世界に開かれた花火の町として存在感を高めています。

2024年には、世界有数の大会とされるモントリオール国際花火競技大会に出品し、銅賞と特別賞を受賞。大曲の花火が持つ芸術性と技術力は、世界の舞台でも高く評価されています。

年代
出来事
1910 (明治43年)
「奥羽六県煙火共進会」として大会が始まる
1964 (昭和39年)
通産大臣賞の授与、創造花火競技大会開始
1979 (昭和54年)
西ドイツ・ボン市で日独親善花火を打ち上げ
1983 (昭和58年)
ドイツ・デュッセルドルフ市「日本週間」で打ち上げ
1987 (昭和62年)
西ベルリン市制750周年記念の花火打ち上げ/デュッセルドルフ市で再演
1990 (平成2年)
「世界の花火師大曲会議」を開催
1992 (平成4年)
「国際花火コンペティション」を開催
1996 (平成8年)
ハンガリー建国1100年祭にて打ち上げを実施
2000 (平成12年)
内閣総理大臣賞の授与が始まる
2002 (平成14年)
韓国での打ち上げを実施
2010 (平成22年)
100年記念大会を開催
2015 (平成27年)
「秋の章」を開始
2016 (平成28年)
「春の章」「冬の章 (新作花火コレクション)」を開始
2017 (平成29年)
第16回国際花火シンポジウムを開催
2018 (平成30年)
花火伝統文化継承資料館「はなび・アム」が開館
2020 (令和2年)
「大曲の花火憲章」を制定
2024 (令和6年)
モントリオール国際花火競技大会に出品、銅賞・特別賞を受賞

「大曲村年中行事絵巻物」 (1870年頃) には、花火の打ち上げの様子が描かれ、この地域で花火が盛んだったことがわかる。

全国花火競技大会では、花火師が自ら製作した花火を自ら打ち上げることも特徴。

大曲の花火は、1979年の西ドイツを皮切りに海外にも進出。2024年にはモントリオール国際花火競技大会で銅賞と特別賞を受賞。

色とりどりの煙で空に模様を描く「昼花火」。競技会が行われるのは大曲が全国で唯一。

全国花火競技大会では、「10号・芯入割物」「10号・自由玉」「創造花火」の3部門で、花火師たちが腕を競う。

大会の呼び物のひとつ「大会提供花火」は、テーマに合わせて花火と音楽で魅せる大曲の「創造花火」の極み。

大曲の花火憲章

大曲の花火は、先人たちの弛まぬ努力、全国の花火師たちの情熱と研鑽、地域の人々の深い理解に支えられた格式ある伝統文化であり、多くの可能性を秘めた総合芸術です。これからも、郷土の歴史、誇り、地域発展の源泉として、守り育み未来へ継承していく決意を込め「大曲の花火憲章」を掲げています。

希望・感動

大曲の花火は、自らが生み出す火の生命力を大輪の華にのせ、観る人全てに明日への希望と大きな感動をおくり続けます。

安全・安心

大曲の花火は、安全が最も重要であり、全てに優先するものと信念をもって、観る人全てが安心して楽しめる、安全で安心な環境と体制づくりを追求し続けます。

伝統・文化・挑戦

大曲の花火は、長年にわたり受け継がれ育まれてきた花火文化・煙火技術を未来へと継承しながら、常に新しい試みに挑戦し続けます。

共生・発展

大曲の花火は、地域に愛され、地域の誇りとして、地域と共に歩み、発展し続けます。

平和・国際化

大曲の花火は、火薬の平和利用をあまねく伝える使命を自覚し、自らを平和の象徴のひとつとして、また、我が国で昇華した総合芸術のひとつの形として、国境を越え、世界に発信し続けます。

令和二年十一月二日制定
大曲の花火大会委員会

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